こんにちわ!ASTEPの児童指導員、ふじたまきです!初めてのブログ参戦です!
スポーツ指導員の専門学校(専攻はチャイルドスポーツ指導員)を卒業後、運動療育をメインとした児童発達支援の施設で勤務。今年の春から心機一転、ASTEPで、主に運動担当の指導員としてお子さまと関わりを持たせてもらっています。また、フィットネスインストラクターや、健康運動実践指導者など、体づくりや運動にまつわる資格を数多く取得してきました。
今回は、私、ふじたが、運動療育とは?というところから始まり、運動あそびとの違い、そして実際にASTEPでのプログラムの実例とその効果についてお伝えしていきますね!
目次
運動療育とは?
運動療育と名前だけを捉え「運動神経を鍛える」「身体能力アップ」という考え方になりがちですが、答えはNOです!
もちろん、身体的運動能力の向上を期待できる場合もありますが、ごく短時間で継続性(週1回未満)がなければ、その効果は期待薄です。もっともアプローチを狙っているところは人の中枢である「脳」です。
特に、発達障がいの子どもの能力の特性は、脳の神経配列と密接に関わり合っています。運動療育は、刺激する部分を療育プログラム(ASTEPで言うLP)で明らかにし、体を動かし楽しみながら脳に対しアプローチすることを目的としています。
運動療育と運動遊びの違いについて次でご説明しますね!
運動療育と運動遊びの違い
数多くの運動療育の施設や現場を経験しながら研修を重ねてきましたが、運動療育を専門とする施設であっても「運動遊び」となっている施設は、残念ながら存在します。
運動療育と運動遊びの違いはただ一つ、子ども一人ひとりの運動能力について正しく評価しているか否かです。これを正しく理解していないとただの運動あそびになってしまいます。
子どもに対して正しい評価が行えていなければ、効果を期待できるプログラムを立案することは不可能だからです。
例えば、縄跳びを取り入れたプログラムがあるとすると、一見すると体づくりという面においては効果があるとは思います。(継続性がなければ意味はありませんが)縄跳び運動は、跳ぶことに加え、そのタイミングや縄を回す際の手の連動性、跳ぶ高さなど、複数のアクションを同時に行わなければ実践することは難しいです。
子どもそれぞれに能力差があり、跳躍することができない子や、リズム感が乏しい子、手と足を同時に動かす動作(協応動作)が苦手な子、子どもによって様々です。そんな様々な凸凹がある子どもたちに対し「さあ!縄跳びをしよう!」と言ったところで運動療育とは言い難く、運動遊びとしても成立しません。
要は、「正しく評価できているかどうか」が運動療育に限らず重要になってきます!
体幹が弱い、姿勢が悪い、手の動きなどの原因は他にあることが多いんです。以下、運動療育を行う際の実践フローです。
① 観察(姿勢や動き・運動能力など)
② 評価を加味したプログラムの立案
③ プログラムの実践・経過の観察
④ 成否の考察…①から繰り返す
この作業を行ってはじめて「運動療育」と言えます。
もちろん運動遊びは、子どもの心身を豊かにさせるために重要です。しかし、特性のある子どもに対しては効果的ではない場合が多いです。その運動遊びが逆効果(イヤな事を続けさせられたり、できない自分に悲観するなど)となることもあるので注意が必要です。
運動療育の効果と実例
運動療育では運動を通じて脳を鍛えながら、勝ち負け、ルール、順番、指示を聞くなど、子どもたちが発達の段階で自然と身に着けていく社会性を育みます。
先ほど例に挙げましたが、個別療育で実施した縄跳びの実例を紹介していきます。
事例①:指示が聞けた
普段の活動や、プログラム開始時には視線を合わせることができなかった子どもでも、開始して数十分で職員と目線を合わし「わかった!」と答え、指示を聞くことができました。
どうすれば目線が合うのか?縄跳び中に指示を出し止まれるのか?止まって目線が合わせ指示が聞けるのか?指示に対し適切なアクションをとれているのか?というところを療育の評価としています。
事例②:縄跳びが0回→7回成功
目線が合い指示が聞けるが、運動能力(跳べない要因はタイミングと手の動き)が原因で、1回も跳べなかった子どもがいました。縄跳びの運動を工程に分けて練習を3日間継続して行いました。
① 縄なしで手首の回転運動
② 縄ありで手首の回転運動
③ ジャンプするタイミングと回数
④ 2人の職員が回して跳ぶ
⑤ 縄跳びを実践
どこが最も苦手かを確認した後、部分的に集中して練習し、以上の5工程で7回跳べるようになりました。
この時は、”スモールステップ”という方法を取り入れて実践しました。以下、スモールステップの記事です。
他にも、自己提案することのなかった子でしたが「今日も縄跳びやろう!」と積極的に取り組む姿勢も身に付いていきました。
成長(刺激)する限り、連動しながら脳は変化していきます。子どもに対し正しく評価した療育を行うと、子どもの能力が変化することは当然の理屈と言えます。
さいごに
運動療育という言葉の意味から、運動遊びの違い、その実例を挙げて、その重要性をご紹介をしてきました。
私(ふじた)の想いとして、子どもたちには運動だけに限らず、成長できる機会を逃さずに、成功や失敗の経験を多く積んでもらいたいと思っています。
その成長する機会が運動療育でもいいですし、水泳教室やそろばん教室でも音楽教室でもOKです!
とにかく、たくさんの経験(特に成功体験)を積ませてあげることが、子どもにとっての一番の成長に繋がることだと思っています。
是非、参考としていただければ幸いです!
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ありがとうございます!勉強になります!
私たちも更に子どもたち一人一人の様子を観察しながら支援を行います。
ついつい【運動遊び】って言ってしまってるな…反省です。
コロナの事もありますがもし機会があれば合同勉強会など開催できればうれしいです!事業所連絡会等でまた管理者さんにお話しさせていただきます♪