SST(ソーシャルスキルトレーニング)『さいころトーク』を評価します!

京都府乙訓郡向日市の放課後等デイサービスASTEP(アステップ)SST(ソーシャルスキルトレーニング)『さいころトーク』を評価します!
〖ブログ執筆者〗
執筆者自己紹介(みなぐちだいすけ)

大学では社会福祉学部に在籍、福祉心理を専攻し、某アパレルメーカーに就職
前職は公務員として11年間勤務し、1000人規模の職場で心理カウンセラーとして様々なお悩みを聞き、解決に尽力してきました。

こんにちは!こんばんは!

ASTEPではLSTやSST、ICTの療育活動担当の、みなぐちだいすけです。

今回は、ソーシャルスキルトレーニング(以下、SST)で行った『さいころトーク』を評価します。

改まって話す機会を設けることで、新たな一面が見られた有意義な活動となりました!

早速、取り組みの概要をご紹介し、評価していきたいと思います!

活動立案の背景

背景

ASTEPを利用する子どもさんの中に、言語の受容と表出に関し、気が散る事が多く、話途中に出し抜けて答え始めるなどの様子が見られる子どもさんがいらっしゃいます。

『さいころトーク』は、話をじっと聞くことが難しい子、特定の事物に強い関心を持つ子や興味や関心が乏しい子に対し、自分の気持ちを適切に表現したり、他者の話を聞くことへの意識や姿勢はどういったものなのか?を伝えるための活動です。

また、みんなの前で発表をするという形式であるため、程よい緊張感の中、瞬時に『思考→決断→表出』することで、頭の回転のトレーニングとしても有効で、より思考を深めることのできる活動です。

活動の概要

あらかじめ発表する順番を決め、子どもがサイコロを振ります。

この際、話し手と聞き手のお約束(ルール)は以下の通りです。


話し手のお約束

  • サイコロを振ってできるだけすぐに話し始める
  • 話す内容や長さは自由
  • 聞き手の顔を1回は見る
  • 話の終わりは「終わります」と言う

聞き手のお約束

  • 話している間は、うなずいて聞く
  • 話が終わったら拍手
  • 話を最後まで聞く(質問は最後)

活動の狙い

活動のねらい


  • 創造的思考
    お題に対して柔軟に思考し、言葉に表出すること。
  • コミュニケーション
    『うなずく』『拍手』を通じて自分をアピールする手段を身に付ける。
  • 対人関係スキル
    話を聞く姿勢・態度を知る。

ある意味、様々な制約のある活動にはなっていますが、話し手は基本的に自由に話すことができます。しかし『みんなの顔を1回は見る』という約束があるので、自由に話す中で、同時2つ以上の約束を実行するというスキルが必要とされます。

また、聞き手については『うなずく』ことをしながら、最後の質問タイムで、話の内容をインプットして思ったことや疑問を何かしらアウトプットしなければいけないことから、こちらも高度なスキルが要求されます。

子どもの能力や特性によって出来る事は限られてきますが、『1つしかできない子どもは2つ守ること、2つできる子は3つ守ること』と、子どもが持つ能力や特性の限界値の引き上げを狙いながら活動を進めていきました。

また、学校の成績が伸び悩んでいる子にとって、特に、聞き手のスキル(うなずく・拍手する)ことは有効的な手段です。

テストの成績は生点で出ますが、授業態度や取り組む姿勢というのも評価される大きなポイントとなってきます。

「自分は先生や友達の話をしっかり聞いている」とアピールすることも、成績を上げるポイントであることを伝えるとともに、何より、大人になって「自分はここにいる」とアピールする所作を知るきっかけになればという思いで取り組んでいきました。

活動の評価

活動の概要をイラスト入りのスライドを使って子どもたちに説明しています。
活動の概要をイラスト入りのスライドを使って子どもたちに説明しています。

全体でのトレーニングは6名で行いましたが、発語がまだ難しい子どもさんについては指導員がマンツーマンで取り組み、サイコロの目のテーマに連想する『単語』の表出を促すこと、また、語彙を獲得できるよう進めていきました。

〖全体の評価〗

  • 特に意識してもらいたい聞き手の約束『うなずく・拍手』について、概ね全員が意識することができた。学校や家庭でも実践してもらいたいため、今後のASTEPの活動(特に説明時)でも意識できるよう言葉を掛けていきたい。
  • 話し手の子どもの様子で、笑顔で話す様子が見られた。改まった機会で恥ずかしさからの笑顔にも見受けられるが、笑顔で話すことは特に相手に良い印象を与える武器となるため、活動の終盤に本人に対し、良かった点としてインプットさせることができた。
  • ADHDの特性を持つ子どもさん、集中力が持続しない場面が日々の活動で見られるが、本活動では着座姿勢を保持することができ、自制する様子が見られた。結果、その場を離れることなく活動を最後までやり切ることができた。着座姿勢のタイムを日々計測しているが、見事自己ベストを更新することができた。
  • 「〇〇です。その理由は〇〇です。」で終わる子どもが多い中、『もっと伝えたい』という思いから、どんどん話を広げて2分ほど喋り続けることができた。サイコロの目が出たテーマということで、見通しがつかない状況の中、即興で自分の思いを表出することができるという特技、そして、新たな一面を発見することができた。
  • 普段の遊びでは天真爛漫な子ども、しかし改まった場面になると恥ずかしさから尻込みしてしまう場面があったが『正解なんてないよ、好きにおしゃべりしてみよう!』という漠然とした言葉掛けに思いを決めてくれて、皆の前に立ち発表することができた。本人にとって少しの自信を持てるきっかけとなったと思います。
  • 聞き手の約束を途中忘れてしまった子どもに対して、隣の子どもが耳打ちをするように約束を促す場面が見られた。子ども同士で注意し注意し合える環境づくりの大切さを再認識することができた。
  • 話し手の子どもが、約束が守れていない子に対し「こっち見て!」と話途中に注意する場面が見られた。特性からの行動であり、事前のインプット(約束が守れていない人への適切な対応)について行う必要性を感じた。
  • マンツーマンで取り組む子ども、『好きなこと』の目が出るまでサイコロをころころ転がし、目が出て質問すると、好きなキャラクターを言うなど単語+2語文(~が好き)で答える事ができた。「他にはある?」と聞くと、どんどん知っているアニメのキャラを教えてくれた。
  • マンツーマンで取り組む子ども、『好きな食べ物』が出るまでサイコロを振りながら遊び、予め用意していた食べ物カードの中から選んでもらった。あとで保護者に選んだカードを報告すると「ピーマン大好きです」とテーマと選んだカードが一致していた。しっかり言葉の意味を理解していることを確認できた。コミュニケーション向上のために個別療育でさいころトークを取り入れて取り組む。
  • よほど楽しかったのか、活動が終わっても「もう1回したい!やろう!」と意欲的な行動が見られた(6名中4名)その後も、サイコロを振り順番に話し手を変わりながら、お約束の『うなずき・拍手』を忘れることなくできていた。子どもからの前向きな「したい!」という要求に対し、できる限り応えてあげることは、療育支援において必要な1つの要素であると改めて気づかされた。

さいごに

京都府向日市の放課後等デイサービスASTEP(アステップ)さいごに


みんなの前に立って発表をする機会は少ない中、『さいころトーク』の取り組みは、良い経験や刺激になったのではないでしょうか。

聞き手や話し手の約束はあるものの、話す内容や順序などは自由なので『失敗』はありません。どんな形であれ話し切ることができた子どもたち、『話す』ことへの成功体験となったものと評価しています。

親御さんや他事業所の指導員さんにおかれましては、子どもからの話を片手間で聞くことなく、しっかりと向き合っていただき『うなずく・拍手(などのリアクション)』をしてあげてください。

その大人の良い行動は、子どもが真似するきっかけにもなります。

大人から子どもに良い影響をどんどん与えていきましょう!

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どうも!ASTEPホームページ管理人です! 京都の乙訓圏域で放デイを運営しながら、積極的に現場に入って福祉の現状の改善に奔走しています。 InstagramやX(旧Twitter)ゆる~く更新してます★ どうぞご覧あれ~◎

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